DIYが得意な人なら、お風呂のリフォームも自分でやってみたいと思う人もいるだろう。
しかし、風呂リフォームの全てをDIYで行うのは、はっきりいって難しい。
では、どこまでのリフォームが可能なのだろう。
ここでは、DIYで可能な風呂リフォームと業者に依頼した方が良い部分、またマンションのユニットバスのDIYリフォームの方法や賃貸の場合に可能なリフォーム方法などを解説する。
DIYでの風呂リフォームはできる箇所とできない箇所がある!
お風呂は床・壁・天井と浴槽で構成されているが、床・壁・天井についてはDIYでも施工できる方法がある。
しかし、浴槽の取り替えはDIYでは難しい。
既存の浴室が在来工法の場合は、多くが半埋め込み型になっているため浴槽周囲(エプロン部分)のタイルやモルタルを壊さなければ交換ができない。これはなかなか大変な作業といえるだろう。
浴槽は重量が大きいため、古い浴槽を持ち上げて撤去するのも一苦労だ。
また、土間を掘って配管の状態を確認する必要があり、土間をはつったり浴槽を撤去したりする際に配管を傷付けてしまう可能性がある。
さらに、壊したタイルや浴槽の廃棄も自分で行わなければならない。
浴槽交換の難易度と労力の大きさからも浴槽の交換リフォームのDIYはあまりおすすめできない。
壁・床のDIYリフォームの方法と注意点
DIYでも可能な壁・床のリフォームの方法と施工の際の注意点を以下に解説する。
壁に浴室用パネルを貼る
近年はDIYでも比較的手軽に施工できる浴室パネルが豊富に市販されている。
浴室にパネル貼りをするメリットは、既存のタイルなどの上から直接貼ることができるため、既存の浴室を壊す必要がなく廃材が出ないことだ。
また、ここで紹介する上図(フクビ バスミュール)のパネル内部にはアルミ板と高密度ウレタンがインサートされているため、手軽に断熱リフォームができることも大きなメリットといえる(窓断熱も同時に行えばさらに効果が高い)。
〈施工手順〉
①事前に施工箇所の汚れを中性洗剤できれいに洗い落とし、カビが発生している場合はカビ取り剤を使用してカビを除去しておく。
②洗浄後は、完全に乾燥させる。
➂照明器具やカランを取り外す。
④「壁と床面との境目」「壁と壁との出入隅」「壁と浴槽との境目」「開口部回り」に、見切り用・出入隅メス型の裏面に両面テープを貼り下地に圧着する(見切り用メス型は、オス型を挿入するため設置面から3mmの隙間を確保して貼り付ける)。
⑤本体パネルを接着剤と両面テープを用いて下地に貼り付ける(本体パネルはセンターに割り付けて貼っていく)。
〈接着剤を塗布する位置、両面テープの位置は以下の図を参照〉
〈本体パネルの取り付け手順〉
⑥本体パネルを施工する際は、まず隣接パネルから20mm離して仮置きし、次にパネルを20mmスライドさせて接合させる(スライドさせることで接着面積を大きくするため20mmのスライドを厳守する)。その後両面テープの剥離紙を引き抜き、パネルを圧着させる。
⑦マルチユース窓枠カバーに同梱されている両面テープと、バスミュールリフォーム用の接着剤とを併用して下地に貼り付ける。
〈全体のイメージ図〉
⑧あらかじめ取り付けておいた納め部分のメス型にオス型を差し込む(本体パネルと隙間がある場合は差し込みが浅く不完全。隙間がなくなるまでしっかり押し込む)。
⑨コーナー部や開口枠・窓枠などの周辺に生じた隙間にはシーリング材を充填する。
※施工の際は必ず躯体に漏水がないか確認する。漏水がある場合は補修が必要だ。
また、湿気を帯びた下地には施工できない(接着剤が硬化不良を起こすため)。
壁にフィルムやシートを貼る
パネル以外にフィルムを貼る方法もある。さまざまな浴室用フィルムが市販されているが、有名なのが3Mダイノックフィルムだ。
ダイノックフィルムとは、塩化ビニル樹脂を原料として作られたフィルム。
色やデザインが豊富で、耐久性・耐水性・メンテナンス性に優れるため、長期間美しさを維持できることが特長だ。
また、下地を選ばず施工がスピーディーなこともメリットである。
3MダイノックフィルムNEOシリーズは水回り専用のフィルムで、タイル壁用と天井やユニットバスなどのフラット面用がある。
施工方法は下地面によって異なるため、ここではユニットバスなどのフラット面の施工手順を解説する。
〈施工手順〉
①浴槽などにプライマーが付着しないように養生する。
②コーキングをカッターで丁寧に取り除く。
➂施工面の汚れをサンドペーパーできれいに取り除く(汚れが残っていると接着不良の原因となる)。
④必要に応じてカランや照明器具は取り外す。
⑤施工面にプライマーを塗布する。
⑥スキージーを使用して、フィルムを圧着しながら貼り付ける(位置を合わせ丁寧に貼り、重ねる際は10mm重ねて張り付ける)。
⑦フィルムの端部にマスキングテープをしてコーキングを施す(剥がれ防止と裏面への水の侵入を防止するため)。
※プライマーを塗布する際は換気を忘れないように注意する。
コーキング材の硬化までに時間がかかるため、風呂の使用は翌日からがおすすめ。どうしても当日使用する場合は、コーキング材に触れないように注意が必要。
床シート貼り
在来工法の浴室の床はタイルが一般的だが、冬場の浴室への第一歩が非常に冷たく感じる人は多いだろう。
床にシート貼りリフォームを施すことで、冬場の足の不快感も緩和される。またタイルと比較して滑りにくく安全性が高いこともメリットだ。
上図の東リ「バスナフローレ」を施工するには、別売りの施工材料パックを購入すると便利だ。
〈セット内容〉
①バスナセメントEPO (専用接着剤ABセット)
②バスナシールSS 1本(333ml)
➂クイックレベラー 1kg
④攪拌容器2個
⑤ヘラ
⑥ハケ
⑦マスキングテープ2個(18m/個)
〈施工手順〉
①施工材料のクイックレベラーを水でよく練り適当な粘度にする(水っぽくならないように注意)。
②水で練ったクイックレベラーをヘラで床に塗布し、タイル目地を埋めて凹凸がなくなるように平滑にする。
➂3~4時間乾燥させる。
④風呂床の大きさに合わせてバスナフローレを切る。
⑤パテが乾燥したら下地を粗目のサンダーをかけ、床からはみ出した部分はヘラで削る。
⑥サンダーがけで生じた粉塵などはきれいに掃いて除去する。
⑦バスナフローレを仮置きして、端部がピッタリ合うように調整する。
⑧バスナセメントEPOのAとBを容器に入れて、色ムラがなくなるまで混ぜ合わせる。
⑨混ぜ合わせたバスナセメントを下地に均等に塗る(端部が薄くならないように注意)。
⑩塗り終えたら3分程度置く。
⑪ずれないように、淵をしっかり貼り合わせてバスナフローレを貼っていく。
⑫しごき棒などを使用して全体を圧着させ、淵部分は特に入念にローラーで圧着させる。
浴槽の塗装がDIYで難しい理由
浴槽の交換がDIYで難しいことは前項でも解説したが、ではDIY塗装なら可能ではないかと思う人も多いだろう。
DIY塗装の上級者なら可能かもしれないが、それでもプロのような仕上がりや塗膜の耐久性は期待できないことを承知しておこう。
浴槽のDIY塗装が難しい理由は以下の点にある。
・浴槽に使用できる塗料は少ない
浴室の壁用塗料は一般に多く市販されているが、浴槽用に使用できる塗料は極めて少ない。
浴槽の場合は長時間湯を溜め続けるため、高い耐熱性や耐水性が要求される。
また皮脂や水垢汚れも付きやすく洗剤を使用して掃除することになるため、耐薬品性や耐久性・密着性・安定性なども求められる。
壁面とは比較にならない程過酷な環境下で耐え得る、高性能な塗料が必要になる。
・二液性塗料で可使時間が限られる
浴槽に使用できる塗料は、塗装時に主剤と硬化剤を定められた比率で混合する二液型塗料である。混合してからの可使時間が限られており、それ以上の時間が経過した混合液は廃棄しなければならない。
そのため、時間内に塗装を終わらせることはもちろんのこと、施工に必要なだけの塗料を準備することもなかなか難しい。
下地の吸い込みが思った以上に多いケースもあり、塗装の途中で塗料が足りなくなることもある。
また、シンナーの調整を含め、混合比率を間違えてしまうと塗料の性能が十分に発揮されなくなる。そのため、混合や調整は正確に計量する必要がある。
・溶剤系塗料は危険性が大きい
溶剤系の塗料の扱いには充分な注意が必要である。特に浴室のような狭い空間で塗装を行う場合は、ひとつ間違えれば命にかかわる。
換気に注意することはもちろんだが、塗装用マスク(防毒)も準備する必要がある。
また、塗料が付いたシートや拭き取った布などをまとめて放置しておくと自然発火する恐れがある。溶剤系の塗料は有毒であり、引火などの危険性があることはくれぐれも承知しておきたい。
・下地処理を入念に行う必要がある
塗料の性能を十分に発揮させるには、下地処理が大変重要だ。
下地処理が不十分だと、塗膜の耐久性に影響する。浴槽の場合は特に四隅に油汚れがたまりやすいため入念な清掃を行う。
さらに、クラックなどはパテ処理を施し、丁寧なペーパーがけや脱脂処理が必要だ。ここで手抜きを行ってしまえば短期間で剥がれが発生し、塗膜を全部剥がして一から下地処理を行うことになり二度手間になる。
・鏡面のような仕上がりは難しい
DIYとプロの塗装で歴然とした差が出るのが仕上がりだ。多少の塗りムラはDIYの魅力と捉える人もいるかもしれないが、鏡面のように美しい仕上がりは素人ではやはり無理がある。
ローラーを使用すれば細かな抜け毛が多数付着したり、ハケで塗装してもどうしても毛が抜けて塗装面に付着したりすることもある(抜け毛はピンセットで取るなどの細かい作業が必要)。
マンションのユニットバスで可能なDIYリフォームの方法
ユニットバスのリフォームというと、古いユニットバスを新しいものに交換するしかないと思いがちだが、古いユニットバスのまま前項で紹介したパネルやフィルム、シートを貼ることで床や壁・天井などのDIYリフォームが可能だ。
浴槽だけの交換は、ユニットバスの浴槽のタイプが据え置き型の場合は可能だが、一体型になっているものは交換ができない。
浴槽だけ交換できる場合でも、浴槽にひび割れなどがあれば他の部分にも劣化が進んでいる可能性がある。浴槽だけ交換してもすぐに全体の交換が必要になってしまうのでは、結局は無駄な出費となるケースもある(浴槽だけ新しいからといっても新しいユニットバスには使用できない)。
ユニットバスの浴槽の交換を検討している人は、自分で判断せずやはりプロに相談することをおすすめする。
賃貸住宅のDIYはどこまで可能?
賃貸住宅も長く住んでいると風呂場の汚れや劣化が目立ち、何とかきれいにできないものかと考えることがあるだろう。
残念ながら賃貸住宅は勝手にリフォームすることはできない。
しかしながら、賃貸住宅の基本である原状回復が無理なくできる方法でのプチリフォームなら可能だ。
近年は、賃貸住宅でもリフォームしたようにイメージチェンジできる商品が多く商品化されている。
例えば、貼って剥がせるシールなどがその代表だが、防水性があり浴室にも使用でき、賃貸物件でもOKな商品がある。その一部を以下に紹介する。
上図の大理石柄のリメイクシートは、接着剤不要でそのまま貼って剥がすことができるため賃貸でもプチリフォームを楽しめる。
防水性があるので浴室などの水回りにも使用可能。老朽化した浴室も簡単に明るくモダンなイメージに変身する。
こちらのステッカーも接着剤不要でそのまま貼って剥がすことができるため賃貸住宅でも使用可能だ。無機質な浴室空間も貼り方によっておしゃれで華やかな空間にイメージチェンジする。
こちらのモザイク柄の壁紙シールも接着剤不要で貼り付けが簡単!
壁の一面だけに貼ってアクセントウォールにしたり、汚れやすい部分(壁の中央)にくるっと帯状に貼ったりと自由にコーディネートを楽しんでみよう。
こちらのステッカーも防水で浴室にも貼ることができる。
遊び心いっぱいの浴室は子供が大喜びしそうだ。毎日のバスタイムが楽しくなるに違いない。
その他にも、浴室の照明器具を雰囲気のあるおしゃれなものに付け替えたり、シャワーヘッドを交換したりするだけでも浴室のイメージチェンジに役立つだろう。
しかし、賃貸住宅では退居する際には原状回復義務があるため、元から付いていた照明器具やシャワーヘッドなどは必ず保管しておき、退居時には忘れず元に戻しておこう。
また、貼ったシールやステッカーも退居の際はきれいに剥がしておこう。
「ふろリノベ」なら低予算で新品同様の浴室に変身!
「浴室のDIYリフォームは無理だけど、なるべく低予算でリフォームがしたい…」
こんな人におすすめするのが「ふろリノベ」の新しいリフォームの形だ。
「ふろリノベ」のリフォーム方法は、パネル貼り・フィルムやシート貼り・塗装によって古い浴室を再生させる方法である。
カビで黒ずんだ浴室や浴槽のひび割れも、新品同様に再生させることができる。
浴室だけでなく、洗面やトイレ・キッチンなどの水回りは全てピカピカに再生できる。
「ふろリノベ」のリフォーム費用は、一般的な浴室リフォームにかかる費用の5割~8割程度も安く施工できる。
また、廃材を出さず、環境に優しいこれからのリフォームの形といえるだろう。
その上、施工が大変スピーディーなので、一般的なリフォームのように何日も浴室を使用できないということがない(通常は1日~2日程度)。
さらに、防汚効果・防カビ効果に優れているため汚れやカビが付きにくくお手入れが簡単できれいが長持ちする。
「ふろリノベ」では、部分的なリフォームや補修も承っている。
例えば、浴槽のみの塗装や天井・壁だけの塗装など。
詳しい費用相場などは、当サイトのホープページにてご確認を!
まとめ
DIYで可能な浴室リフォームの箇所や方法と素人では難しい箇所を解説したが、可能な方法でも、ある程度のDIYの知識と経験は必要だ。
例えば、カッティングシートを使用してDIYを行った経験のある人なら、シートの扱い方や貼る際のコツは心得ていると思うが、初心者では無理に引っ張ってよれてしまったり、気泡を入れてしまったりとなかなか思ったように施工できないことが多いだろう。
また、パネルやシートを貼るには、漏水などが発生していないことが大前提になる。
壁のコーキングの剥がれた部分やタイルの割れ目から壁の内部に水が侵入しているかもしれない。
長期間に渡り漏水していた場合は壁の構造体が腐食していることも考えられる。
このようなケースは素人ではわかりにくい部分でもあるため、大きくひび割れがある場合やコーキングの剥がれを長期放置していた場合は、プロに任せることをおすすめする。
浴室リフォームのDIYは、壁や床であっても決して難易度が低いとはいえない。
DIYに自信のない人や不安が残る場合は、是非「ふろリノベ」へご相談いただきたい!