浴室の窓を交換するには目的や場面によってその改修方法は大きく異なってくる。
窓ガラスのみを交換する簡単なリフォームから、外壁の一部を撤去してリフォームする大掛かりなリフォームまで様々である。浴室の窓のリフォーム規模は“目的”に応じて変わってくる。
もちろん予算も、数万円~数十万円と幅は大きくなる。
なぜ浴室の窓のリフォームをしたいのか、まずお考えをまとめることが大事となる。
今回は、浴室の窓のリフォームについてどのようなリフォームがベストとなるか、参考を紹介する。
浴室の窓改修の流れ
浴室の窓改修は、目的に応じて今の窓枠のまま小規模な工事から、窓枠を取り外し、外壁を壊して改修する大掛かりなリフォームとなり、流れが大きく変わる。
目的に応じた窓枠リフォームの流れを紹介する。
なぜ浴室の窓改修をしたいかまとめる
浴室の窓交換の目的によって窓をどのようにリフォームしたらよいかが決まっている。
汚れやカビなどでガラス交換やサッシ交換を検討している方は、リフォームよりもハウスクリーニングの方が安価である。プロの清掃業者に依頼するとかなり綺麗な状態になるのである。
目的を絞ることにより、どのようなリフォームが適しているかが見えてくる。
それにより予算を検討することもできる。
浴室の窓リフォームを検討した経緯を十分に考えてから次の一歩に進むことが望ましい。
専門業者に依頼し見積りを取る
まず初めに、専門業者を呼んで、浴室の窓リフォームを検討している旨を伝える。
そして、『なぜリフォームを行いたいのか』ということを的確に伝える。
その理由に応じて適切なリフォーム方法を検討し、見積りを依頼する必要がある。
予算を超えてしまっている場合には妥協点を探り、自分の真の目的をできるだけ安価にできるように検討してもらうように業者に依頼する。
その段階で、『高いけれどやっておいた方が良い』とごり押ししてくる業者は信用に値ない。
優良企業は、できるだけ予算に合わせて、リフォーム方法を提案されることが多い。
必ずしも予算内に納まるとは限らないが、限りなく良い解決策を経験値、知識をもとに模索するだろう。
工事開始から終了まで
小規模なリフォームとなれば、1日で終わる。
撤去する部分があったとしても、撤去半日、新設で1日といった流れで工事が完了する。
大掛かりなリフォームとなると数日間の時間を要することもある。
撤去する際にサッシや、外壁を一部撤去するので、工事が終わるまでは窓がない状態となる。
防犯に不安があるわけではない。
希望に応じて仮設で塞がれるので、防犯的な心配も必要ない。
風呂本体の改修工事と同時進行していなければ風呂も使用することが可能である。
DIYは可能?
浴室の窓改修に関しては、ほとんどの場合DIYは不可能である。
ガラスやサッシの交換にのみの簡単なリフォームでも、ノウハウと経験が必要となる。
ガラスのみの交換でも、ガラスのコーキング難易度も高く、合うガラスを見つけるのも難しいので、専門業者に依頼した方が良いだろう。
ただし、室内側にブラインドを設置するのみであれば、DIYで付けられる場合もある。
取付けが簡単な商品もある。
気を付けたいのは、幅寸法がぴったり合うものを見つけられるかどうかだ。
ブラインドは、注文発注も可能となるので、合わせて検討してみるのも良いだろう。
浴室の窓をリフォームする目的とは
浴室の窓リフォームを検討している方は大きく分けて、4つ程度の理由に絞られる。
その動機それぞれで、リフォーム方法が異なる
浴室の窓をリフォームする理由と、その対策について紹介する。
①窓から侵入を防ぐ等防犯対策
首都圏では近年は極小敷地に3階建ての住宅が建つことがあり、その場合は2階が浴室となっていることがある。
その場合はあまり防犯について検討することは少ないが、全国的な一戸建て住宅の場合、1階に風呂があることがほとんどだ。
そのような場合、ガラスを割られて進入されるという経路が成り立つ。
特に浴室は外から人目に触れにくいところにある。
防犯対策として窓をリフォームする方法としては
・強化ガラス等、割られにくいガラスにする
・ルーバーを取り付ける
・羽目殺し+強化窓を付ける
このようなリフォーム方法がある。
②外気が気になる!寒さ対策
冬場には外気と浴室温度に大きな差があり、心臓発作を起こし亡くなられている方がいる。
そして、窓は外気温を伝達させやすいもののひとつである。壁等は断熱材が入っており熱を通しにくくなっているが、サッシは対策が講じられていなければ伝達させやすい仕組みである。
そのため、リフォーム方法としては
・温度を伝達しにくいガラスに変える
・断熱サッシにする
・二重サッシにする
これらの方法がある。
③外からの目線が気になる!目隠し対策
浴室のガラスで透明なガラスを使用していることはありえないが、外からの目線でもシルエットを見られるのも嫌だ、という人もいる。
その場合は、ガラスに小細工しても限界があるので、どうしてもサッシ廻りのリフォームが必要となる。
基本的には、シルエットが見えないようなリフォームをする。
・ルーバーをつける
・ブラインドをつける
ガラスやサッシの交換と異なり、取付けがメインとなるので、工事日程的には半日ベースで終了することもある。
④自然な空気を取り込みたい!カビや換気対策
カビの原因は湿度と温度である。このカビの原因を取り除くのは換気である。
換気扇を稼働させながら自然な空気を取り込むことができればこれ以上良い対策はない。
ご希望であれば入浴中に窓を開けて自然な空気を吸いながら入浴することも可能である。
集合住宅(マンション)等ではなかなか経験できない。
これらの為のリフォーム方法は
・網戸をつける
・換気システムを変える
・ブラインドをつける
・ルーバーをつける
ということになる。
防犯対策のためのリフォームの種類
それでは、各リフォーム方法の種類と内容を紹介する。
実際にどのように工事をするのか、どのような準備をするのかも紹介するので参考にしていただきたい。
防犯に強いガラスの種類とは
防犯に強いガラスは、簡単に言えば強固なガラスにすればよいということとなる。
防犯ガラスの代表的な物は『複層ガラス』である。このガラスは、1枚のガラスともう1枚のガラスの間に空気の層を設けている仕組みのガラスである。
強化複層ガラスは強いだけでなく、断熱性能もあがる。
その他にも強化ガラスで防犯対策も有効である。
ガラスのみの交換であれば施工日数は1日となることにより、使用者の負担は少ない。
ルーバーを設置する
ルーバーは外部に取り付ける格子状のものである。
ルーバーをつけることにより、ガラスに手を伸ばすことも不可能となり、防犯対策に有効である。
ルーバーを取り付けるだけであれば半日の施工で終了する。
ただし、ルーバーによって窓を開けた際の通気や、日照があまり期待できなくなるデメリットもある。
はめ殺し+強化窓にする
はめ殺し窓にしてしまえばクレセントがないことにより、ガラスのクレセント部のみを破壊し、侵入するという手段が使えなくなることにより、防犯対策に有効である。
はめ殺し窓は1日で交換が可能である。
窓を開けて可能となる換気が一切できなくなるというデメリットがある。
通気を行いたい場合は内倒し窓や外倒し窓、ルーバー窓が有効であるが、サッシの種類を変更することにより、施工日数が複数日かかる可能性が高い。
外気の気温を取り入れない対策とは
冬場に特に感じる風呂場気温低下対策としての対策を紹介する。
気温低下によってヒートショックを起こさない為にも必要な対策を講じてほしい。
温度に強いガラスの種類を変える
温度に強いガラスには、複層ガラスや、断熱ガラスがある。
一般的には複層ガラスが用いられることが多い。
具体的な商品名はいくつもあるが、ガラス業者によって扱っているガラスは異なる。
複層ガラスは、1枚のガラスともう一枚のガラスの間に空気の層を設け、断熱効果を発揮する。
ガラスだけの交換の為、1時間程度で工事は完了する。
しかし、サッシがアルミサッシの場合、断熱効果は十分に発揮しない。
断熱サッシに変える
温度変化を十分に発揮するには、サッシの交換が有効である。
サッシの種類にはアルミサッシと外側樹脂サッシ+内側アルミサッシ、全て樹脂サッシの3パターンある。断熱効果に強い順では
全て樹脂サッシ>外側樹脂サッシ+内側アルミサッシ>アルミサッシ
となる。
外気温を内に伝えない為には、樹脂サッシが有効となるが、窓枠を含めて交換する場合は一部解体を行う為工事に数日を要する。
窓だけの場合は1日で終了するが、窓枠が断熱性能の低い状態となる場合十分に効果は発揮しない。
一番高価が高いのは、窓枠、窓さらにガラスの交換が最有効である。
既存サッシの内側にもう1つサッシを入れる(二重サッシにする)
窓の解体、取り換えに抵抗がある場合は、既存窓の外側にもうひとつ窓を設ける。
窓を設けることにより、断熱効果を発揮する。
通常、この場合は断熱につよい樹脂サッシで設置することが多い。
工事は1日で終わる。
既存窓と新規窓の間に温度の異なる空気ができるため結露が生じやすい。
十分な換気や清掃が不可欠となる。
目線が気になる場合の対策とは
風呂のガラスはすりガラス等の曇っているガラスが用いられているが、夜入浴する際には明るい内側の明るさにより、シルエットが見えてしまうことがある。
そのシルエットが気になる場合は窓を覆う必要がある。
窓を無くすと換気機能が低下し、カビの低下となる為、その他の手段を講じることが有効である。
ルーバーをつける
ルーバーを取り付けた場合、取り外しが不可能となる。
その為、自然な風の流れが生じにくくなり換気しづらい。
しかし、外部から窓がみえることがなくなり、光が漏れている程度となる。
工事は1日で完了する。
ブラインドをつける
ブラインドは内側に設置する。
入浴時にブラインドを下すことにより、シルエットは見えなくなる。
取り付けも半日程度で終わる。
ブラインドは細かい。風呂場のカビができやすい環境では清掃が不可欠となる。
ブラインドをあげれば風呂場内の換気は十分に行える為、換気機能を低下することがない。
自然な空気を入れるには?
暖かい空気(20度~25度程度)と湿った空気がカビの繁殖にはかなり有効な環境となる。
その為、風呂場内の環境はカビの繁殖にとっては大好物なのである。
それを防ぐのは、換気により湿った空気を外にだし新しい空気を取り入れる。
換気に有効な回収方法を紹介する。
網戸をつける
窓を開ける場合、虫の侵入等で悩むことがある。
網戸をつけることにより日中には開けた状態を保つことができます。
サッシに網戸のレールがあれば簡単に取り付けられるが、ない場合は外側にはめ殺しの網戸も有効となる。
工事は1日で完了する。
窓を変えず、空調を変える
窓の大きさや性能を変えたくない場合は換気扇等の設備を設けることも有効である。
換気扇があれば強制的に換気が可能となるの。
換気扇を設ける場合外壁を一部解体することになる場合があることにより、工事が複数日かかる可能性がある。
各工事の予算
目的の応じて様々な回収方法があるが、実際に改修工事をするとなると気になるのは予算である。さまざまな工事の予算を紹介する。
予算から改修方法を選ぶこともひとつの判断方法ではないだろうか。
窓ガラスのみをリフォームする場合
窓ガラスのみ交換する場合は、1㎡あたりおよそ3万円程度となる。
この内訳には材料費や工賃も含まれる。
一般的な風呂場の窓ガラス改修では、およそ5万円程度準備しておけば問題ないであろう。
ただし、断熱性能が高い商品である場合、10万円程度の予算で検討しておく必要があるだろう。
ルーバー・ブラインドの設置予算
ルーバーは材質によって材料費が異なる。木材を使用するのであれば、1枚およそ1万円前後である。しかし、湿度の高い空気が出ていく場所でもある為、木材はカビを発生させやいというデメリットの影響が大きい。
アルミ等の金属製品であれば1枚およそ2万円~3万円程度となる。さらにルーバーの取り付け費用として2万円~4万円前後となる為、ルーバーの取り付け費用は4万円~8万円前後となる。
ブラインドも大きさや材質によって値段は異なるが、ルーバーとほぼ同じような金額で取り付けることが可能となる。
ブラインドの場合も木製等の材質は避けたほうが良いだろう。
ブラインドの種類は幅広いため、安価なブラインドをしようすることにより、より予算を抑えることができる。
サッシ交換の予算
サッシの交換方法は窓枠を交換する方法から、窓のみの交換と幅広い交換方法があります。
丸ごと交換すればそれだけ予算は多くかかる。
もちろん総入れ替えしたほうが性能はアップしますが、予算やその他の事情によってリフォーム方法も異なるであろう。
それぞれの工事方法による予算を紹介する。
■サッシの大きさ・窓枠全てを変更する場合
サッシの枠を交換する場合は外壁を一部解体する必要がある。
外壁の解体にかかる費用がおよそ6万円~10万円程度。これは8割~9割が解体作業員の人件費である。
その他に解体材処分費用や、その他の経費がかかる。
窓枠、窓、ガラス総入れ替えの金額で10万円~15万円程度となる。これは樹脂サッシ等サッシ等級によって異なり、等級が良い物であれば、30万円程度するものまで存在する。
窓を取り付けるには鉄骨等による下地工事も必要となる場合もある。
この工事も材料と工賃で10万円程度の費用が発生する。
サッシを取り付けた後、外壁の復旧をしなければならない為、外壁工事の予算も発生するため、そこで10万円~15万円程度の費用が発生する。
これらを総合して、50万円~80万円程度の予算が必要となる。
この工事の場合、住宅の種類や構造、外壁の材料や窓の種類等によって大きく値段が左右する。
■窓サッシのみのリフォームする場合
窓枠は交換せずに、窓サッシのみ交換する場合は、解体と窓枠の材料費がかからない為、予算は抑えることが可能になる。
樹脂の場合は、10万円~15万円程度の材料、工賃となる。
予算は控えめではあるが、断熱性能を求めている場合には十分な機能を発揮できないことを念頭に置く必要がある。
二重サッシにする場合
二重サッシの場合には、既存サッシを撤去する必要がないため、新規のサッシ費用と、工賃だけで済む。
こちらも断熱性能が上がればその分予算が上がる。高性能サッシと高性能ガラスを組み合わせると、30万円程度費用が発生することもある。
中程度のスペックで改修するのであれば、10万円~15万円程度で改修が可能となる。
ただし、二重サッシをつける部分がある場合はこの金額で納まるが、設置箇所を設けなければならない場合は、設置費用も掛かることに注意が必要である。
サッシの種類や大きさを変更しても問題ない
風呂場の窓改修において心配されていることはサッシの種類や大きさの変更である。
改修工事をするということは、10年前以上のスペック住宅の場合がほとんどであるが、当時は最高スペックでも、現代の新技術はさらに高性能の商品が誕生している。
さらに改修方法も確立されている。
より快適に生活をしていく上で、現代の技術を盛り込んだ異なった種類のサッシに変更しても問題はない。
リフォームする場合の注意点
リフォームする場合、風呂場を使用できない期間が発生する可能性があるということを念頭に置かなければならない。
風呂場が使用できない時にどこで入浴するかの計画をあらかじめ立てておく必要がある。
目的に応じて改修方法を吟味する必要があります。業者に相談すると、ハイスペックで営業してくる場合がある。
ハイスペックであればもちろん良い環境にすることも可能である。
自分自身で絶対に譲れない部分は捨てず、予算に見合った改修をすることが大切である。
改修が必要な箇所は風呂場だけでなく、住宅内のいろいろな部分にも現れる。
それを念頭に置くことが重要である。
まとめ
ルーバーやブラインドを取り付けたい方はご自身でDIYをすることも可能な場合がある。
ルーバーにおいては1枚1万円以下の商品も存在している。
この商品の場合は90cm×90cmとなる。窓の大きさを考慮した場合、複数枚購入し、取り付けても良いだろう。
ルーバーを取り付ける際に注意しなければならないのは、固定しているビス部分である。
ビスで窓枠や外壁に固定した場合、そのビス穴から雨水が入り込むことがある。
ビスは「止水ビス」を使用するもしくは、ビス周りにコーキングをすると良いだろう
ブラインドの場合は室内に設ける為、寸法は確実に抑える必要がある。
ブラインドがきれいに納まらないと、設置する意味が全くなくなる。
ブラインドの大きさや、形は吟味して発注すると良いだろう。
風呂場の窓改修は様々な目的によって検討されることとなるが、適材適所の改修を行うことで満足度が上がる。
付帯工事や、設備等取り付け、余分な営業をされてもきっぱりと断ることも大切である。
さらに、満足度高い改修工事が行えれば、この後何年もの間快適に暮らすことができるだろう。