この記事に辿り付いたアパート経営者の方は、お風呂が古くなってしまったことにお困りかと思う。浴室が古くなると入居率低下に繋がってしまう。そこでリフォームを考えるが、費用が高くなりがちで、躊躇する人も多いだろう。
この記事ではアパートの浴室リフォームの費用、行うべきタイミング、気を付ける事について紹介する。コスパのよいリフォーム方法もお伝えする。目的にあった浴室リフォームを行う参考にして欲しい。
アパートの浴室リフォームどのくらい費用がかかる?
アパートの浴室リフォームは、どの程度の規模でリフォームするかによって、その費用が変わる。そのため、予算や目的に合わせてリフォームすることが大切だ。ここではどのような方法があり、どのくらいの費用がかかるのか、簡単に解説する。
ユニットバスの取り替え
ユニットバスの取り替えとは、既存のユニットバスを全て新しいユニットバスに取り替える工事方法だ。全ての施設を一新できるため、浴室全体が古くなっている場合におすすめだ。
しかし、ユニットバスの交換は、その大きさにもよるが、40万円から75万円ほどの費用がかかる。
部分リフォーム
部分リフォームは浴室の悪くなっている部分のみを取り替える工事方法だ。浴槽、壁・床、浴室ドア、浴室の塗装など対応できる範囲は様々である。そのため、目的に合わせ、予算を最小限に抑えつつリフォームできる。
費用としてはどのようなリフォームをするのかによって変わる。もっともコストを抑える場合、5万円ほどで費用を抑えられるため、費用を抑えつつ、浴室をきれいにしたいという場合におすすめだ。
水栓など備品の交換
水回りの設備は消耗品であり、一般的に3年ほどが寿命だ。そのため、水栓やシャワーなど、水回りの備品については、定期的に交換が必要になる。
費用の目安はおよそ3万円ほどだ。費用を最小限に抑え、悪くなった部分のみ取り替えればよいという場合におすすめの工事方法だろう。
アパートの浴室リフォームを行うタイミングとは?
アパートの浴室リフォームは大掛かりな工事になることもあるため、必要最小限に抑えたい人も多いだろう。しかし、お風呂は入居者が入る決め手にもなり得る要素だ。
そのため、取り替えるべきタイミングを見極める必要がある。ここではどのような兆候が見られたら、リフォームを検討するべきか、見ていこう。
嫌な臭いがする
浴槽は年月が経つとカビや汚れで嫌な匂いがするようになる。どれだけ綺麗に掃除していても、配管の内部や壁の裏など、手が届かない部分もあり、そのような場合には浴室リフォームを検討するタイミングだろう。
浴槽や壁にヒビなどがある
浴槽や壁にヒビや落とせない汚れ、カビなどがある場合、リフォームを検討するべきタイミングだ。壁や浴槽の継ぎ目にはコーキングと呼ばれる充填剤が入れられており、防水の役目を果たしている。
しかし、そこは経年劣化で劣化しやすい部分の一つであり、10年前後を目安にひび割れ始めてしまう。それをさらに放置すると中に水が入り込み、内部のカビや匂いの原因になりかねない。そのような場合は、カビや匂いの完全な除去が難しくなるため、全体の取り替えを考えなければならなくなる。そうなる前に対処すれば、大掛かりな工事にならずに済むだろう。
補修用の部品が生産終了している
浴室は部分リフォームができるが、場合によっては対応した部品が生産終了している場合がある。別の部品で代替できるものもあるが、浴室扉などは取り替えの痕跡が目立ってしまう。
落とせない汚れなど見た目の印象が悪くなっているケースも多いため、部品の生産終了をきっかけに浴室の取り替えリフォームを検討するとよい。
設備の故障時
設備が故障したことをきっかけに、浴室リフォームを検討することも多い。数年程度の新しい浴室であれば、部分リフォームでも十分に対応できるが、10年以上経過したものの場合、複数の設備が故障し、修理費が高額になることもある。
その結果、修理費用が高額になるケースがあるため、その機会に浴室リフォームを行うというケースは多いだろう。
アパートの浴室リフォームで重要なことは?
アパートの浴室リフォームで重要なことは、費用と効果のバランスを踏まえて考えることだろう。ここでは、実際どのようなことを考えるべきか、具体的なポイントを紹介する。
ターゲット層のニーズに合わせる
アパートのリフォームはその地域のニーズに合わせたターゲット設定が重要だ。例えば20〜30代女性が単身で住むような地域の場合は水回りがきれいではない場合、入居を取りやめる原因になる可能性は十分にある。
家族で住むような場合、浴室が狭いよりもある程度の広さがある方が喜ばれることもあるだろう。そのようなニーズに合わせたリフォームを行うことで、入居率が高まり、利益に繋がる。ニーズの調査は不動産会社に相談するか、実際にその地域に足を運んでみるとよいだろう。
費用の回収にかかる時間を計算する
浴室リフォームは規模にもよるが、浴室全て交換する場合は最低でも40万円はかかってしまう。その費用を回収するために入居からどのくらいの期間が必要になるのか、考えなければならない。
浴室リフォームはいわゆる先行投資に該当し、回収するまでには一定以上の期間利用してもらわなければならない。また、リフォームをしたからといって入居率の向上に繋がらない可能性もある。楽観的に捉えるのではなく、やや悲観的に捉えた上で、計算するとよいだろう。
賃料の値上げは慎重に検証する
浴室リフォームを行い、設備をアップグレードしたことをきっかけに賃料の値上げを検討することもあるだろう。しかし、設備を新しくしただけで値上げをするのは危険な考え方だ。
賃料を上げると、入居した後の利益は増えるが、入居率は下がってしまう。地域の相場と比較した上で、入居に繋がる要素が本当にあるのかどうか、よく検討しなければならない。
DIYはハイリスク
浴室リフォームは高額な工事のため、DIYで施工しようと考える人もいるのではないだろうか。しかし、DIYは非常にハイリスクでありおすすめできない。DIYであれば材料費だけで済ませられるため、コストが下がるように思われるが、時間がかかる上、失敗する可能性もある。
水回りであるため上手く行わなければ水漏れに繋がり、大きなトラブルにもなりかねない。安全性やその後のリスクを考えるとおすすめできる選択肢とはいえない。
安くアパートの浴室リフォームをするには?
アパートの浴室リフォームはできるだけ費用を抑えてやりたいと考えている人も多い。ここからは費用を抑える方法を紹介する。
塗装とシート貼りでリノベーション
浴室の見た目が悪く、見た目を綺麗にしたいという場合には、塗装やシート貼りでのリノベーションがおすすめだ。このような方法は、浴室の取り替え工事よりも費用を格段に抑えられる。
築20年の住宅であっても見た目を新品同様にでき、費用も5万~25万円の間くらいに収められる。そのため、浴室内部のカビや汚れを無くし、見た目をきれいにしたい場合には充分選択肢になるだろう。
補助金利用を検討する
アパートの浴室リフォームは内容によっては補助金の対象になる。手すりの取り付けなど、条件に該当する場合は、地域の補助金が利用でき、工事負担が軽くなる。高齢者や要介護者が住まわれる地域については検討する価値があるだろう。
まとめ
今回はアパートの浴室リフォームにかかる費用や交換のタイミング、重要な点、費用を抑えるポイントについて解説した。アパートの浴室リフォームは入居率に関わるが、費用をかけただけ効果が出るとは限らない。
適切に入居を促し、費用を回収できるかどうかはニーズを踏まえた上で、よく検証する必要がある。この記事を参考に、適切なアパートの浴室リフォームを行う参考にしてほしい。