ラグジュアリーなホテルなどに設置されているおしゃれなシャワールームに憧れを持つ人は多いのではないだろうか。
近年は、浴槽にゆっくり浸かるのは寒い季節だけで、ほとんどシャワーだけで済ませているという人が多くなっていて、自宅の浴室をシャワールームに変更したり、セカンドバスルームとしてシャワールームを増設したりする人が増加しているようだ。
今回は、シャワールームにリフォームする方法や増設する際の注意点・費用相場・主なメーカーのシャワーユニットなどを紹介する。
近年はおしゃれなシャワールームが人気!
シャワールームとは、浴槽の付いていないシャワーだけのスペースのことをいう。
日本の住宅では浴室に浴槽があるのが当たり前で、お風呂に入るということは湯船に浸かるということと同じ意味で捉えられているが、海外ではバスタブがあっても別に仕切られたシャワースペースもあり、その時々の気分や状況によって使い分けがされている。
お風呂は身体を清潔に保つということの他に、1日の疲れを癒しリラックス効果を得ることも重要な目的の一つだ。
日本人は湯船にゆっくり浸かり、リラックスして1日を締めくくることが習慣化されてきた。そのため、ほとんどの人はお風呂に入る時間帯も夜になる。
しかし、近年は若い人を中心にお風呂の習慣も多様化し、朝シャワーを浴びて1日のスタートを切る人や、外出前には必ずシャワーを浴びるという人も多い。
毎日必ず使用するシャワールームはできるだけ快適な空間にしたいということで、機能性だけでなくデザイン性の高いホテルのようなおしゃれなシャワールームが人気だ。
多用なニーズに応え、各ユニットバスメーカーもさまざまなタイプのシャワーユニットをラインナップしている。
シャワールームを取り付ける方法は3つ
既存の浴室をシャワールームに変更
シャワールームを設置する方法の一つが、現在の浴室の浴槽を取り除きシャワールームにリフォームする方法だ。
既存の浴室も脱衣所も狭く、浴槽はほとんど使用しないという人におすすめ。
シャワールームはコンパクトなスペースで充分なため、脱衣所が広がり脱衣所に収納ユニットなどを設置し、より機能的な洗面脱衣所空間に変化させることも可能になる。
また、在来工法の浴室からユニットバスにリフォームするには浴室が狭いという場合にも、シャワーユニットなら無理なくリフォームすることが可能だ。
既存の浴室にシャワーユニットを増設する
シャワーユニットとは、シャワー専用のスペースに湯水が飛び散らないように、天井や壁はガラスなどで囲んだ空間のことで「シャワーブース」とも呼ばれる。1m×1.5m程度の空間があれば設置可能(サイズは色々、最小サイズは1m以下のものがある)。
既存の浴室に隣接して押し入れなどがある場合は、押し入れ部分を解体し浴室を広げ、シャワーユニットを置くこともできる。
別の場所にセカンドバスルームとしてシャワールームを設置
二世帯住宅や家族が多い家庭では、好きな時間に風呂に入るということはなかなか難しい。
そこでセカンドバスルームとしてシャワールームを設置する家庭が増えている。
納戸や押入れ・余ったスペースなどにシャワーユニットを設置することができる。
朝シャワーを習慣にしている人は、寝室の押入れなどを改造してシャワールームを設置すると大変便利だ。
また、介護が必要な家族のいるご家庭用には、車椅子のまま入れる広めの介護用シャワールームもある。
シャワーユニット「組込み型」と「置き型」の違いや設備
シャワーユニットには「組込み型」と「置き型」があり、「組込み型」とはユニットバスと同じく、工場で形成された部材を現場で組み立てるビルトインタイプのシャワーユニットのこと(室外側の壁は化粧されていない)。設置するにはユニットバスを設置するような工事が必要になる。
「置き型」とは、空いたスペースに家具のようにそのまま置けるシャワーユニットのこと(室外側にも化粧されている)。組み立ても比較的簡単で大掛かりな工事は必要ない。
シャワーユニットの設備
シャワーユニットはグレードによって付属されている設備が異なるが、一般的なタイプはハンドシャワー・室内ランプ・換気ファン・シャンプー棚・タオル掛け・排水パイプ・ドアなどが付属されている。
ハイグレードタイプは、上記の他にボディーシャワーやヘッドシャワー、座ってシャワーを浴びることができるように腰掛が付いているタイプもあるが、一般的なタイプのシャワーユニットでもオプションで好みの設備を付けることができる場合もある。
また、トイレや洗面台がセットされたタイプもある。
シャワールームリフォーム・増設の費用相場
さて、最も気になるのがシャワールームにリフォームしたり増設したりする際の費用相場だろう。
在来工法の浴室をシャワールームに変更する場合、浴槽を撤去し床や壁・シャワー設備などを自由に設置して在来工法のままシャワールームに変更することもできるが、選ぶ素材や設備によって費用が大きく異なってくる。
しかし浴槽を失くせば冬季は益々寒いお風呂になってしまうため、コンパクトで暖まりやすいシャワーユニットを設置するのが一般的だ。
在来工法の浴室にシャワーユニットを設置する費用は、シャワーユニットの本体価格(10万円~50万円程度)の他、解体工事費・給排水工事費・電気工事費・組み立て費など(工事費の合計は15万円~30万円程度)が必要になり、総計では25万円~80万円程度となる(壁などの木部工事・内装工事が必要な場合は別途加算される)。
「置き型」タイプの設置費用は、シャワーユニットの本体価格(10万円~50万円)の他、給排水工事費・電気工事費・組み立て費(合計10万円~15万円程度)が必要になるため、総計では20万円~65万円程度になる。
2階以上にシャワールームを取り付ける際の注意点
シャワールームを2階以上に設置する際は、以下のポイントに注意が必要だ。
・入念な防水処理を施す
2階以上にシャワールームを設置する場合、最も注意したいことが漏水対策だ。木造の住宅での漏水は建物を大きく傷める原因となり、最悪は床が抜ける可能性もある。
防水処理は入念に施し、漏水の心配の少ない安心できるメーカーの製品やしっかりとメンテナンス体制を整えている製品を購入しよう(輸入品などは、デザイン性は高いが漏水やメンテンナンスに不安がある)。
・給湯器の能力は十分かチェックが必要
既存の給湯器の容量をチェックしておくことも大切だ。1階にある給湯器から接続した場合、圧力不足でお湯がチョロチョロしか出ないといったケースも出てくる。
できれば、2階にシャワールーム専用給湯器を新たに導入することが望ましい。
・排水音に注意が必要
家族が多い場合は、シャワールームの設置場所にも注意したい。夜中などにシャワーを使用すると、思った以上に排水音が下の階に響く(木造住宅の場合)。2階に設置する場合は、真下が寝室でない場所を選ぶことも大切だ。
・冬季は脱衣所を暖かく!
これは、1階・2階にかかわらず注意したいことだが、シャワールームはコンパクトなためすぐ温まるとはいっても脱衣所は別だ。冬季もシャワールームを快適に使用するには、脱衣所に壁掛け型のヒーターなどの設置をおすすめする。
TOTOのシャワールームの特徴
TOTOのシャワーユニットは、内寸が800D×800W×2030Hの0808タイプが2種類、800D×1200W×2030Hの0812タイプが3種類、800D×1550W×2030Hの0816タイプが2種類、押し入れにすっぽり納まる「押し入れシャワールーム(内寸780D×1500W×2027H)」の計8種類が展開されている。価格は254,000円~818,000円。
画像のシャワーユニットは、0812Tタイプで価格は426,000円だ。
カラリ床・サーモスタット水栓・シャワーヘッド・2段のコーナー収納棚・腰掛・LEDダウンライト・換気グリル・スライドバー・タオル掛けなどが基本仕様されている。
TOTOのシャワーユニットの特徴は、ほとんどのタイプで足腰に負担がかからないよう、座りながらシャワーを浴びることができる腰掛が付いている。また、特殊な形状により床が乾きやすいカラリ床は全てのタイプに基本仕様されている。
タカラスタンダードのシャワールームの特徴
タカラスタンダードのシャワーユニットの特徴は、間口・奥行ともに2.5cm刻みでサイズオーダー可能なことだ。縦長・横長などさまざまなスペースにピッタリフィットのシャワールームがつくれる。
無駄なスペースができないため、既存のシャワーユニットを新しく交換する場合でも既存のサイズより広いシャワールームになる。
また、壁面はガラス質の清潔さと金属の頑丈さを兼ね備えた高品位ホーローを使用。天井・壁・床を保温材で包み込むことにより、暖かさが持続する「パーフェクト保温」設計。さらに、お手入れが簡単でキレイが持続することなどが特徴になっている。
価格は基本セットで289,000円~493,000円。画像は1609(外寸925W×1650D)のKタイプで、基本セット価格は36,3000円だが、画像の商品はオーバーヘッドシャワーや、ロングミラーなどオプションが付いている。
〈参考価格〉
オーバーヘッドシャワー:9,2000円 ロングミラー:9,500円
パナソニックのシャワールームの特徴
パナソニックのシャワールームは、出入口がバリアフリーで「910モジュール」対応のハイクォリティーなSSVシリーズ(0712・0707サイズの2種類)と、SⅡシリーズ(0812サイズ)、3点ユニットのリフォームに最適なSPⅡシリーズ(名称は「シャワー&パウダー」)などが展開されている。
本体標準価格は、315,100円~567,500円。
上の画像は、SSVシリーズのDタイプで、本体標準価格は466,000円(0707サイズは417,600円)。
ダウンライトLED照明・サーモ式シャワー水栓・ミラー・収納棚・握りバー・配管セットなどが標準装備されている。
上の画像は、集合住宅などに設置されている3点ユニットのリフォームに最適な新製品「シャワー&パウダー」。
「シャワーとトイレを別にしたい」という多くの人の要望に応えたもので、シャワーとトイレやシャワーと洗面の間に間仕切壁を設け、独立した空間をつくる。
間仕切り壁はすりガラス調の樹脂を使用することにより、明るく開放感のある空間になっている。
画像はTタイプ(シャワー&トイレ)。本体標準価格は567,500円。
まとめ
今回は既存の浴室をシャワールームにリフォームしたり、他の場所に増設したりする費用や注意点などをご紹介したが、既にシャワールームを設置されていて、劣化が目立つようになった場合や、古いシャワールームの壁面を塗り替えてイメージチェンジを図りたい場合は、「ふろリノベ」にお任せいただきたい!
古いシャワールームでも、壁を好みのカラーに塗り替えたり、床の張替えを行ったりすることで、新品同様のピカピカのシャワールームに変身させることができる。
さらに、経年によってできた傷やひび割れなども「お風呂のプロ」が完璧な補修を行うため、水漏れの不安も解消する。
新しいシャワーユニットに交換するよりも大幅に費用を抑えられる「ふろリノベ」のリフォームで、再びきれいで快適なシャワールームを手に入れて欲しい!