「お風呂のリノベーション」と「お風呂のリフォーム」。どう違うのかご存じだろうか?
一般的には同じような意味に捉えられているが、実は違いがある。
しかし近年は「リノベーション」と「リフォーム」の違いが曖昧になり、工事関係者でも明確に答えられる人は多くないだろう。
そこで今回は「風呂リノベーション」と「風呂リフォーム」の違いを考えてみたい。
また、おすすめの浴室リノベーション・リフォームの方法や費用も併せてご紹介する。
風呂のリノベーション・リフォームの違いは?
「リノベーション」のイメージは間取りの変更など大規模な工事、「リフォーム」は表面だけの張替えなど小規模な工事といったイメージを持っている人が多いと思う。
これは間違いではないが、「リノベーション」は新築時の状態よりも機能性を向上させ資産価値を高める大規模な工事のことを指す。
そのため、間取りの変更(風呂の場合は面積を広げる・位置を変える)などは機能性を向上させる大規模工事となり「リノベーション」の範疇に入る。
一方「リフォーム」は、機能性の向上は目的とせず、見た目を新築時の状態に戻すことをいう。風呂のリフォームでは浴槽や壁の表面塗装の塗り替えなどが相当する。
また、部分的な補修や劣化した設備機器の入れ替えなども大規模ではないため、「リフォーム」の範疇に入るだろう。
しかし、近年では「部分リノベーション」という言葉も使われるようになり、大規模工事ではなくても、部分的な補修や工夫により機能性を向上させて大きくイメージチェンジさせることができれば「リノベーション」と呼ばれることもある。
いずれにしても明確な定義がないため、どこからが「リノベーション」でどこまでが「リフォーム」なのか、益々曖昧になってきているというのが現実だ。
風呂リノベ―ションの方法と費用
既存のお風呂がユニットバスか在来工法かによってリノベーションの方法やかかる費用も異なる。ユニットバスを交換する場合・在来工法からユニットバスに変更する場合・在来工法のままでリノベーションする方法などに分けて解説する。
ユニットバスからユニットバスに交換
戸建て住宅でもユニットバスを採用している家庭は増加している。しかしユニットバスも経年による劣化は避けられない。ユニットバスの寿命は15年~20年といわれている。
15年以上経過し、劣化が進んだユニットバスは交換することになる。
ユニットバスの交換工事は専門性が高いため、基本的にはメーカーから派遣された職人によって作業が行われる。
以下にユニットバスの交換工事の手順を解説する。
①解体物を搬出するための通路やドア枠などに傷が付かないように養生する。
②既存のユニットバスを解体・撤去する。
➂給排水管を新しいユニットバスに合わせて設置する。
④新しいユニットバスの床・浴槽部分を設置。
⑤床下の排水管と排水トラップ、給湯・給水管を接続する。
⑥壁・天井パネルを設置する。
⑦全ての継ぎ目をシーリング処理する。
⑧換気扇・点検口を設置する。
⑨床下の配管とユニットバスの配管を接続する。
⑩各部品(シャワーなど)を取り付ける。
⑪ドアを取り付ける。
※この工程には通常3日~4日程度かかる。
ユニットバス交換にかかる費用相場は、ユニットバス本体価格+工事費(解体撤去工事費・養生費・木工事費・内装工事費・電気工事費・配管工事費・メーカーによるユニットバス組み立て設置工事費)となる。
ユニットバスの価格はグレードによって異なるが、60万円~120万円。工事費は合計25万円~35万円程度が相場だ。
合計では85万円~155万円程度となる。
在来工法からユニットバスに変更
以下は、在来工法の浴室からユニットバスへ変更する際の工事の手順となる。
①解体ゴミの置き場所を確保し、事前に解体物の搬出通路などを養生する。
②止水栓を閉じ、既存照明の電線を絶縁テープで巻く。
➂浴室を解体する。
④天井や壁を採寸し、設置するユニットバスの寸法図の通りに給水管・排水管・換気扇ダクトの位置などの墨出しをする。
⑤土間打ちのために掘削機で床を深く掘る。
⑥給排水工事・電気工事を行う。
⑦墨出しの指示通りに土間を打つ。
⑧土間を乾燥させる。
⑨ユニットバスを組み立てていく(床から組み立てる)。
⑩排水トラップを取り付け、排水管を接続し、洗い場床の取り付けと浴槽を置く。
⑪天井と壁の骨組みを組む。
⑫壁パネルに穴を開け、補強材の取り付けや換気扇・照明器具を取り付ける。
⑬壁パネルを設置し扉の枠を組む。
⑭天井を取り付ける。
⑮水栓器具や窓枠を取り付ける。
⑯エプロンや点検口の取り付けや、シーリング処理を行う。
⑰ユニットバスのドアを設置する。
⑱ユニットバスを搬入した際に解体した壁をボードで補修し造作する。
※この工程は通常7日~10日程度かかる。
工程をご覧いただいてもわかるように、在来工法からユニッバスに変更する場合は、ユニットバスを変更するだけの工事よりも土間打ちのための掘削工事など工程が多くなる。また、
解体工事自体も箱状のユニットをばらすだけと違って、タイルのハツリ作業を行うため手間がかかる。
そのため、ユニットバス本体の価格は同じでも工事費が高くなる。
在来工法からユニットバスへ変更する場合の工事費の合計は35万円~50万円程度。
さらに、漏水などにより躯体が劣化している場合は状況に応じて補修工事を行う必要があり、工事費に加算される。
ユニットバスの本体価格と合計すると95万円~170万円程度になる。
在来工法のままリノベーション
在来工法浴室のままリノベーションする方法は、再びタイルなどの張替えを行い在来工法でリノベーションする方法とバスパネルやシートを貼ってユニットバス風にリノベーションする方法がある。
再び在来工法でリノベーションする場合の手順を以下に解説する。
①解体物や資材などの搬入出のための通路などを養生する。
②既存の浴室を解体・撤去する。
➂新しい下地を作り、断熱材やラスカット(左官工事用)の取り付けを行う。
④床の配管を仕込み、ラスカットの上にモルタルを塗る。
⑤モルタルの乾燥後、防水工事を施す。
⑥防水層の乾燥後、タイルを貼るために保護モルタルを塗る。
⑦天井や壁面の上部などの塗装をする。
⑧浴槽を設置する(コンクリートブロックを積みその上にモルタルを塗る)。
⑨タイルを貼る。
⑩シャワーなど設備を設置して完了。
※この工程は、モルタルや防水工事の養生期間(乾燥するまでの期間)も含めて2週間~3週間程度かかる。
〈在来工法浴室にかかる工事費用〉
・養生費
・解体工事費
・廃材処分費
・木工事費
・給排水工事費
・電気工事費
・左官工事費
・塗装工事費
・タイル工事費
・諸経費など。
上記の工事関連費用の他、浴槽やシャワーといった浴室設備も個別にかかり、グレードによって価格も色々。選択する設備によって費用が大きく異なってくるため、費用相場にも幅があるが、一般的な価格帯のものを選んだ場合は60万円~90万円程度になる。
さらに、給湯器の交換や浴室暖房乾燥機を設置する場合は費用に加算される。
マンションの風呂リノベーションの注意点
分譲マンションの浴室のリノベーションで注意しておきたいことは多くある。
その一つが、自由に変更できるのは専有部分のみであることを理解しておかなければならない。壁や床天井などのコンクリートの躯体部分や配管スペースは共有部分である。
当然ながら、コンクリートを削ったり壊したりすることができない。
リノベーションする際には、事前に管理組合に施工内容を記載した届出書を提出して許可を得る必要がある。
また、マンションによっては工事の時間帯が決められている場合もある。
最も注意したいのが近隣への騒音問題。トラブルにならないように近隣にも了解を得ておくことも大切だ。
さらに、電気容量やガスの容量を確認し、マンションの規約に合ったものを選ぶことも重要だ(マンションでは容量を大きくすることが難しい)。
マンションの浴室はほとんどがユニットバスなので、同じサイズのユニットバスへ交換する場合は問題なく実施できるだろう。
しかし、しっかり採寸してみれば一回り大きなユニットバスが入ったという事例もある。
また、浴室を広げたい場合は、サイズオーダーができるメーカーのユニットバスを採用しよう。
タカラスタンダードのユニットバスは、マンションの梁や柱にも柔軟に対応できるユニットバスを提供しているため、既存の浴室スペースよりも広がる可能性が高い。
マンションのユニットバス交換リノベーションの費用相場は、ユニットバスの広さやグレードによって異なるが、60万円~100万円が相場となっている。
団地のお風呂はリノベーションできる?
UR賃貸では、申請すればリフォームやリノベーションが可能な物件があったり、地域によっては、浴槽と給湯器は入居者が購入しなければならなかったりすることもある。
古い団地の浴室の多くが、バランス釜が設置された在来工法の浴室だ。
団地の浴室リノベーションでは、ユニットバスに変更することが難しい。可能な場合でも今の浴室より狭くなってしまうというデメリットがある。
そのため、団地の浴室リノベーションでは、パネル工法によるユニットバス風リノベーションが主流になっている。
給湯器の設置場所に問題がない場合は、バランス釜を撤去し新しく給湯器の設置をおすすめする。これによって浴槽を広げられるため、浴槽内で足を伸ばすことが可能になる。
壁や天井はパネル、床にはシートを貼ることで、ユニットバス風の浴室に変身する。
団地浴室のリノベーションの注意点は、しっかり漏水対策を行うことだ。古い団地の浴室は防水層も劣化しているため、入念な防水工事を行っておきたい。
また、団地の場合もマンションと同じく団地規約がある。団地規約を無視したリノベーション・リフォームを行った場合、責任を問われ原状回復するための費用負担が発生する。
事前に団地規約を確認し、規約に沿ったリノベーション・リフォームを実施しよう。
〈団地の浴室改修工事費用の相場〉
・バランス釜から給湯器に交換する費用相場:15万円~25万円(本体+工事代)
・浴槽の交換費用:12万円~20万円(本体+設置費用)
・壁のパネル貼り:10万円~
・FRP防水工事:7000円/㎡~
・床シート貼り:5万円~
「ふろリノベ」でお手軽に浴室のリノベーションを!
「ふろリノベ」のリノベーションの方法は、ユニットバスを入れ替える大規模な工事ではなく、既存の浴室にパネルやシート・塗装によって新品同様のピカピカの浴室に再生させる方法だ。
既存の浴室を解体したり、ユニットバスを搬入するために一部壁などを壊したりする必要がなく大規模工事ではないため、「リフォーム」の範疇に入るかもしれない。
しかし、機能性を向上させ、大きくイメージチェンジできるという面で、敢えて「ふろリノベ」では「リノベーション」といわせてもらう。
例えば、壁や天井には防カビ性・防汚性に優れ断熱効果の高いパネルを採用し、床には滑りにくく体に優しいシートを採用。浴槽は特殊塗料と独自の塗装技術によって新品同様に再生させる(お客様のご要望があれば浴室全体を塗装することも可能)。
もちろん、ひび割れや錆・傷などはしっかりと補修を行ってから実施するので、ご安心いただきたい。
工期はユニットバスの交換などのリノベーションのように、長くかかることもなく1日~2日で完了。費用面でも、ユニットバスを交換する費用の50%~80%程度安くなる。
浴室のリノベーションやリフォームがしたくても、工期が長いことに不安を感じる人や費用をなるべく抑えたい人は、「ふろリノベ」で、お手軽なリノベーションをおすすめする。
まとめ
今回は、「リノベーション」と「リフォーム」の違いや、浴室のタイプ別リノベーションの方法や費用をご紹介したが、近年では大規模工事だけを「リノベーション」と呼ぶのではないことをご理解いただけたと思う。
機能性を向上させ資産価値を高め、見た目も大きくイメージチェンジできるならば小規模な工事でも「リノベーション」だ。
そして、なるべく工期は短く低コストでできるに越したことはない。
廃材を出さない・環境に優しい・コスパが良い・工期が早い、理想的な浴室のリノベーションを「ふろリノベ」で実現していただきたい!