ユニットバスリフォームの費用や注意点・各メーカーの商品の特徴
マンションや集合住宅に限らず、戸建て住宅でもUB(ユニットバス)の採用が増えている。
在来工法と異なり、漏水の心配が少ないことや工期が短いこと、お手入れが比較的簡単なことなどが人気の理由になっている。
しかしながら、UBも15年以上経過すると劣化が目立ってくる。表面に細かいひび割れやカビ・錆などが発生することもあり、リフォームを検討する時期となる。
今回は、UBリフォームの費用や注意点、主なメーカーのユニットバスの特長などを紹介する。
ユニットバス交換リフォームの費用相場
ユニットバスリフォームにかかる費用は大きく分けて、「ユニットバス本体価格」+「ユニットバス設置工事費用」となる。
ユニットバス設置工事費用の中には、既存のユニットバスや解体費用・新しいユニットバスを入れるための壁の解体費用・ユニットバス組み立て設置費用・配管工事費用・電気工事費用・壊した壁の木工事や内装工事費用などが含まれる。
ユニットバスの価格は大きさやグレードによって差があるが、シンプルなもので60万円程度。ハイグレードタイプでは120万円程度になる。
また、ユニットバス設置に伴う費用は35万円~45万円程度かかるため、ユニットバス交換リフォームにかかる費用の合計は95万円~165万円ということになる。
要注意!リフォームする際は防蟻も大切
住宅では浴室やトイレといった水回りスペースは、日当たりが悪い位置に配置されることが多く、どうしてもカビやシロアリが発生しやすくなっている。
特に在来工法の浴室は、古くなるとタイルの目地から侵入した湯水がドア周りの木部にまで達して腐朽し、シロアリの格好の住処となっている可能性が高い。
そのため、在来工法の浴室からユニットバスへのリフォームをする際は、事前に防蟻工事をしておくと安心だ。
防蟻工事の工程
浴室リフォーム前の防蟻工事の工程を以下に解説する。
- 壁面(浴室内側)にドリルで穴(直径3~4mm程度)を開ける(一般的な浴槽で10~15箇所程度だが、状況によって異なる)。
- 開けた穴から専用の注入器を用いて薬剤を注入し、壁の中の木部に付着させる。
- 床下にもぐり、床下から見える浴室土台に木部用ドリルで穴を開け、薬剤を注入する(シロアリ被害のある箇所は全て入念に処理を行う)。
リフォームの工程と工事期間
ここでは、在来工法の浴室からユニットバスへリフォームするケースと、ユニットバスから新しいユニットバスへ交換リフォームするケースに分けて、工程と工事期間を簡単に解説する。
〈在来工法浴室からユニットバスへリフォームする工程と工期〉
①搬入出経路の壁や床を傷付けないように養生する。
②既存の浴室を解体し、撤去する。
➂ユニットバスを入れるため、浴室と脱衣所間の壁も解体する。
④基礎工事(木工事・配線工事・配管工事・土間基礎工事等)を行う。
⑤新しいユニットバスの搬入。
⑥ユニットバスの組み立て・配管工事・裾付工事を行う。
⑦ドアの裾付けし、周囲の壁の造作を行う
※施工期間は1週間~10日程度かかる。
〈ユニットバス交換リフォームの工程工期〉
①搬入出経路の壁や床を養生する。
②既存のユニットバスを解体し撤去する。
➂下地に補修が必要な場合はこの時点で補修を行う
④新しいユニットバスを搬入。
⑤ユニットバスの組み立て、ユニットバスに合わせて配管工事・裾付工事を行う。
⑥ドアの裾付けをし、解体した壁部分を造作する。
※施工期間は5日~1週間程度かかる。
タカラスタンダードのユニットバスの特長
タカラスタンダードといえばホーロー浴槽というイメージがあるが、人造大理石やFRP・ステンレスなどの浴槽を採用した商品もある。
展開しているブランドは6種類。ハイグレードの「プレデンシアプレミアム」(1616タイプ1226,000円~)・「プレデンシア」(1038,000円~)はホーロー浴槽、「レラージュ」(684,000円~)・「レラージュライト」(54,3000円~)は「キープクリーン浴槽」と呼ばれている人造大理石浴槽、「エメロード」(512,000円~)はステンレス浴槽、「ミーナ」(379,000円~)はFRP浴槽が採用されている。
タカラスタンダードユニットバスの主な特徴を以下に紹介する。
・ほとんどの商品に「キープクリーン機能」
浴室の壁面はシャンプーや石鹸の飛び散りなどで意外と汚れやすいものだが、タカラスタンダードのユニットバスの壁面は全て「ホーロークリーン浴室パネル(表面が親水性を持つガラス質)」を使用しているため、入浴後にシャワーで水をかけるだけで簡単に汚れを落とすことができ、いつまでもピカピカのきれいが持続する。
また、床面は傷が付きにくく汚れを落としやすい「キープクリーンフロア(特殊コーティングを施した磁器タイル)」を採用(レラージュライト・ミーナはFRP床)。
高耐久性でお手入れが簡単だ。
・「パーフェクト保温」が標準装備
タカラスタンダードは浴室全体を保温材で包んだ「パーフェクト保温」が標準装備されている。冬でもポカポカで快適なだけでなく、高齢者のヒートショック対策にも有効だ。
また、お湯が冷めにくい「高断熱浴槽仕様(高断熱浴槽+断熱風呂フタ)」なので、光熱費も節約できる。
・地震の揺れにも負けない強い構造
頑丈なフレーム架台が浴室全体の重さをしっかり支えるため、震度6強相当の揺れにも負けない強度がある。
さらに、標準装備されている「ホーロークリーン浴室パネル」は厚さが17mmあり、大判で目地が少なく、パネル同士は金具でしっかり固定されているので頑丈で安心。
・浴室サイズにピッタリ合わせられる
一般的なユニットバスのサイズは、0.75坪(1216)・1坪(1616)・1.25坪(1620)・1.5坪(1624・1818)など数種類しかない。
そのため、浴室のスペースにきっちり合わせることができず、無駄なスペースが生まれるのは仕方ないとされていた。
しかし、タカラスタンダードではサイズオーダーができ(最大1500通りのサイズ展開)無駄なスペースを失くすことができる。
また、間口約140cm・奥行約100cm程度の小さいサイズが対応できるのもタカラだけ。スペースの小さい浴室でもユニットバスへ交換リフォームが可能だ。
TOTOのユニットバスの特長
TOTOのユニットバスは比較的お手頃タイプの「サザナ」(1616タイプ81万円~)
とハイグレードタイプの「シンラ」(1616タイプ122万円~)の2種類が展開されている(マンション用も一般的なタイプとハイグレードの「シンラ」の2種類)。
TOTOのユニットバスの特長は「サザナ」「シンラ」ともに、「省エネで光熱費が削減される」「暖かいお風呂」「お手入れが楽」の3点だ。
「サザナ」「シンラ」のそれぞれの特長を紹介する。
〈サザナの特長〉
・お掃除ラクで体に負担がかからない「ほっカラリ床」
・お掃除しやすい排水口
・「除菌水」で床ワイパー洗浄
・水や油脂をはじきお掃除が簡単な人工大理石浴槽
・水垢をラクに落とせる鏡
・お掃除ラクラクカウンター
・節水しながら適度な刺激が心地よい「コンフォートウェーブシャワー」
・お湯が冷めにくい「魔法びん浴槽」など。
〈シンラの特長〉
「シンラ」は「サザナ」の機能性にプラスして以下の特長を備えている。
・リラックスを追求、人間工学に基づいたファーストクラス浴槽
・やすらぎを堪能できる肩楽湯、腰楽湯(Cタイプのみオプション)
・浴室、洗面所あたたか快適セット(暖房換気扇が標準搭載、洗面所暖房機とセット使いで入浴前も快適)。
・室内の温度を快適に保つ断熱防水パンが標準装備など。
上記の他にもさまざまなオプションも用意されている。
LIXILのユニットバスの特長
LIXILのユニットバスは、戸建て住宅用では一般的な価格帯の「アライズ」(1216タイプ645,000円~)とハイグレードタイプの「スパージュ」(1216タイプ958,000円~)。マンション用には、「スパージュ」(1216タイプ1058,000円~)とマンションリフォーム用システムバスルーム「リノビオV」(最小サイズ1116タイプ786,000円~)一般的な価格帯の「ソレオ」(最小サイズ1116タイプ645,800円~)、さらに集合住宅用コンパクトバスルームが展開されている。
〈アライズの特長〉
アライズには上質で特別感のあるプレミアムグレードのKタイプと、機能性の高いミドルグレードのMタイプがある。
アライズのコンセプトは「もっと手軽にリラックス」「もっと便利なキレイ」「もっとつづくあったか」の3点。以下に具体的な特長を紹介する。
・心地よい入浴を追求したミナモ浴槽(水面がどこまでも続くような柔らかな曲線のデザイン浴槽)
・スマートエスコートバーでお風呂での動作が効率的(Kタイプ)
・家族と入るとき、一人で入るときなどそれぞれのシーンに対応(Mタイプ)
・カウンターを取り外してかけることができ広く使うことも可能(Mタイプ)
・うるつや浄水が水道水に含まれる残留塩素を低減など。
ユニットバスリフォームで補助金は活用できる?
ユニットバスへの交換リフォームや床下の防腐・防蟻処理等は、住宅向上リフォーム工事費として、長期優良住宅リフォームの補助金対象となっている。
しかしこの制度は、申込者はリフォーム工事の発注者ではなく、工事施工業者が国に申請し、補助金も施工業者に支払われ、そこから発注者に還元されるという仕組みだ。
還元方法は以下の2つのうちどちらかを事前に宣言する。
- 発注者は施工業者に請負契約額を支払い、施工業者が補助金受領後に現金で発注者に支払う。
- 発注者は請負契約額から補助金相当分を引いた額を施工業者に支払い、補助金は施工業者が受け取る。
〈補助金の額〉
給付される補助金の額は、補助対象リフォーム工事費等の合計の1/3が補助される(浴室の場合はユニットバス交換リフォーム、防腐・防蟻処理費用の合計の1/3)。
〈補助金限度額〉
- 長期優良住宅認定は取得しないものの一定の性能向上が認められる場合は100万円/戸。三世帯住宅の場合は150万円/戸。
- 長期優良住宅認定を取得した場合は200万円/戸。三世帯住宅の場合は250万円/戸。
- ②のうち、さらに省エネ性能を高めた場合は250万円/戸。三世帯住宅の場合は300万円/戸となる。
〈要件〉
・リフォーム前にインスペクション(劣化事象の有無を把握するための現況調査)が必要。
・リフォーム後の住宅が一定の性能基準を満たすこと。
・リフォーム履歴として工事内容や図面の保存と、維持保存計画を作成する必要がある。
「長期優良住宅化リフォーム推進事業事務局:概要」
h31.choki-reform.com/doc/overview_koubo_h31.pdf
大幅に費用を削減できる「ふろリノベ」のリフォーム!
近年のユニットバスは素晴らしい機能を備え、デザイン性も優れたものが多くラインナップされている。
しかしやはりユニットバスの交換リフォームとなると、費用面では100万円以上は見ておかなければならない。
さらに、最短でも5日程度は自宅の浴室が使えなくなってしまうため、家族全員が大変不便な思いをしなければならない。
「ふろリノベ」のリフォーム方法は新しいユニットバスに交換するのではなく、既存のユニットバスに塗装を施したり、パネルやシートを貼ったりすることで新品同様にリフォームするという方法だ。
古いユニットバスを解体する手間や新しいユニットバスの搬入や組み立ての手間がかからないため、費用も工期も大幅に削減できることが大きなメリットだ。
「ふろリノベ」のリフォーム費用は一般的なユニットバス入れ替えリフォームと比較して50~80%程度安く施工できる。
また、工期は2日ほどで完了するため、浴室を使用できない期間は1日のみとなる(完了した日から使用可能)。
環境汚染が大きな問題となっている昨今は、一昔前のような使い捨てで良かった時代とは違ってきている。
古いものを新品同様に再生させることは、環境に配慮しなければならない現代に相応しいリフォーム方法といえるため、今後は益々需要が増加すると期待されている。
まとめ
1日の疲れを癒し、明日の活力を養うためにもお風呂は大切なスペースだ。
きれいなお風呂にのんびり浸かる時間は至福のひと時ともいえるだろう。いつまでも快適にお風呂に入るためにも、劣化が目立ち始めたら早めにリフォームの検討をおすすめしたい。
ここでお伝えしたように、UBリフォームの方法はUBの交換だけが全てではない。
新しい機能性を求めてはいないが、とにかく劣化したお風呂をきれいにしたいという人は、
低コストで工期が短く、環境にも優しい「ふろリノベ」のUBリフォームで、新品同様にリフレッシュすることを是非検討していただきたい。