団地のお風呂のリフォームは、一般的なお風呂と異なる形状をしているためリフォームが難しい部分の一つだ。
規格品の場合は狭くなることも多く、オーダーメイドになると費用が高くなってしまう。そのような場合におすすめなのが、部分リフォームだ。
浴室塗装やパネル貼りで工事を行うことで、見た目の印象をほぼ新品同様くらいに新しくすることができる。
この記事では団地の風呂をリフォームする方法やそれぞれのやり方でどのくらいの費用がかかるのかお伝えする。
この記事を参考に自分にとって最適なお風呂リフォーム方法を見つける手助けにしてほしい。
団地の風呂リフォームはなぜやりにくい?
団地の風呂リフォームは、一般の風呂リフォームと比べて、いくつかの理由でリフォームが難しいと言われている。
ここでは団地の風呂リフォームはなぜ難しいのか、その理由を簡単に解説しよう。
ユニットバスの大きさとかみ合わない
団地の風呂リフォームが難しいのは、ユニットバスの大きさとかみ合っていないからだ。
ユニットバスの場合、ある程度規格の大きさが決まっており、その範囲に収まるものを選ぶ必要がある。
マンションや一般家庭のユニットバスであれば、ある程度その規格に近い形状のものが多いため、ユニットバスのリフォームをしても広さが狭くなるというケースはそれほど多くない。
しかし、団地の風呂リフォームの場合は、そのような規格とは異なる寸法で作られており、規格サイズのユニットバスをきれいに収められないケースが少なからずある。
そのため、実際の風呂のスペースよりも小さい、規格内で収まるユニットバスを選択するか、場合によってはユニットバスの設置そのものが難しいケースも考えられるだろう。
そのような場合には、在来工法という、タイルで貼られた日本昔ながらの方法で費用をかけてリフォームするしか無くなってしまう。
そのため、団地の風呂リフォームは風呂が狭くなってしまうか、通常のリフォームよりも余分な費用がかかってしまうのである。
排水工事の手間や騒音がある
団地の風呂リフォームの問題は排水工事の手間や騒音の問題がある。
団地の風呂はマンションなどの風呂と異なり、排水がコンクリートで埋まっている場合があるからだ。
その場合、排水工事をするためにコンクリートをはつり機で削る必要があるが、その際に振動や騒音がかなり発生してしまう。
また排水が下の階まで抜けている場合には、下の階の排水を工事しなければいけないケースもあり、さらに余分な費用がかかってしまう。
団地の規約に触れるケースもあり、そもそもリフォームができないという可能性もあるため、その点は確認が必要だ。
新しく給湯器をつけなければいけない
団地の風呂リフォームではバランス釜と呼ばれ、浴室のそばに給湯器が設置されているケースがある。
風呂リフォームでユニットバスにする場合、このバランス釜は利用できないため、新しい給湯器の設置が必須となってしまう。
ユニットバス同士の交換であれば、給湯器がまだ動く場合そのまま利用することもできる場合があり、給湯器の交換に費用が発生しないケースも多い。
大まかに追加で30万円ほどの費用が別途かかってしまう。
そのため、団地の風呂リフォームではユニットバスを設置するために給湯器の交換分の費用も考える必要がある。
窓が使えなくなる場合がある
団地のリフォームでは条件によっては、窓が利用できなくなる場合がある。
団地の窓の多くは手前に倒す仕様になっており、ユニットバスを設置すると、既存の窓よりユニットバスの枠が内側にきてしまうため開閉ができなくなることが少なくない。
ユニットバスの交換はできる?
「団地だけど、どうしてもユニットバスにしたい」という方もいるのではないだろうか。
団地ではユニットバスの設置が難しいが、それでもユニットバスを設置したいなら方法が全くないわけではない。
ここでは団地でユニットバスを設置する方法を具体的に解説する。
オーダーメイドなら対応できる場合も
団地でユニットバスを設置したい場合、おすすめの方法の一つがオーダーメイドだ。
ユニットバスは規格サイズから選ぶのが一般的だが、団地の風呂のような特殊なサイズの場合には、オーダーメイドでオーダーすることができる。
タカラスタンダードのユニットバスは、団地の風呂の寸法に合わせてリフォームする「広ろ美ろ浴室」を開発しており、この方法であれば、ユニットバスであっても、最大限広く設置することができるはずだ。
また窓枠や排水も余分な工事をすることなく対応できるよう設計されているため、ユニットバスの工事費用をある程度は抑えられる。
ただし費用は高額になる
ユニットバスを団地で設置する場合、どうしてもネックになってしまうのが工事費用だ。
排水の工事や給湯器の工事などが余分に必要になる場合があり、またオーダーメイドにする関係上、ユニットバス本体の費用も高額になってしまう。
タカラスタンダードの場合は余分な工事をある程度は抑えられるものの、給湯器の取り替えは避けられない。
またオーダーメイドの関係上、ユニットバスの製造に時間がかかり、工事が始められるようになるまで、期間が長くなってしまうことも問題だ。
こうした点から、どうしても全ての設備を新しくしたい場合を除いて団地でユニットバスを設置するリフォームはあまりおすすめできる選択肢ではないと言える。
部分リフォームで対応する方法
「今のお風呂が古くなっているのをなんとかする方法は他にないの?」そうお考えの方も当然いるだろう。
そのような場合には、ユニットバスの交換ではなく、部分リフォームをするのもおすすめだ。
ここでは団地の風呂リフォームをする選択肢をいくつか紹介する。
バランス釜の取り替え
団地の風呂リフォームをする方法の一つが、バランス釜の取り替えだ。
バランス釜も消耗品であり、徐々に劣化してしまい、最終的には壊れてしまう。
大まかに言えば、バランス釜からバランス釜に交換するか、バランス釜から給湯器に交換するか、2つの選択肢がある。
バランス釜をバランス釜に交換する工事は給湯器に取り替える場合よりも、費用を抑えられることが特徴だ。
また給湯器に取り替えると、給湯器は外部に設置されるため、風呂内にバランス釜を設置していたスペース分、大きい浴槽が設置できるようになる。
次に解説する浴槽の交換を検討する場合に、給湯器の取り替えとセットで考えるのがおすすめだ。
浴槽の交換
団地の浴槽をきれいにしたい場合におすすめなのが、浴槽の交換だ。
浴槽を広くし、かつ浴槽がきれいになる。
特に今より浴槽を広くしたい場合にはおすすめだ。
この場合、バランス釜を給湯器に取り替える工事も必要な点には注意してほしい。
浴室塗装
浴室塗装は、浴室内の壁や浴槽を塗装することで、新品同様にリフォームする方法だ。
通常の塗料では浴室内の塗装はできないが、浴室内でもしようできる特殊な塗料を使用することで、浴室の見た目をきれいにすることができる。
この方法であれば、浴槽や浴室の見た目を新品同様にリフォームできる。
具体的には以下のように見た目が変わる。
こちらが浴室塗装後の画像だ。
「塗装の匂いがするのは嫌」という人も、匂いが少ない塗料のため、それほど大きな影響がないこともメリットだ。
ただし、設備周りは変わらないため、設備に不満がある場合には別のリフォームを検討しよう。
パネル貼り
パネル貼りリフォームとは、既存の浴室の壁や天井に新しいパネルを上から貼り付けるリフォームのことだ。
この方法では壁や天井の見た目をほぼ新品同様にすることができる。
リフォームにかかる費用の相場
「風呂をきれいにしたいけれど、費用がどのくらいかかるか気になる」という人は当然多いだろう。
ここでは団地の風呂リフォームをする場合に実際どのくらいの費用がかかるのか、具体的に解説したい。
ユニットバスにリフォームする費用
団地の風呂をユニットバスにリフォームする場合、大まかに100万円〜200万円程度の費用がかかる。
またこれは通常のユニットバス交換工事と比較すると、費用が高くなってしまうことに注意が必要だ。
なぜなら、給湯器や排水工事などで、余分な工事費用がかかるためである。
またユニットバス本体もオーダーメイドになり、費用がかかってしまう。
どうしても全て新しくしたい場合を除いて、あまりおすすめはできない方法だ。
バランス釜を取り替える場合
バランス釜を新しく取り替える場合、新しいものをバランス釜にするのか、給湯器にするのかで費用が大きく変わる。
バランス釜の場合には、大まかに10万円程度かかることが一般的だ。
今のバランス釜が壊れてしまい、新しくなれば良い、それ以外に余分なコストはかけたくない、という場合におすすめの方法だ。
バランス釜から給湯器に交換する場合には30〜40万程度の費用がかかる。
この方法の場合、費用は高額になるが、バランス釜があったスペースが空くため、浴槽を取り替えれば、浴槽をより広くできることが最大のメリットだ。
逆に言えば、浴槽を取り替えないのであれば、バランス釜よりも費用が高いため、無理に給湯器にする必要はない。
浴槽の交換
浴槽の交換には、およそ35〜40万程度の費用がかかることが一般的だ。
ただし、既存のバランス釜を給湯器に取り替え、浴槽を広げたいという場合には給湯器の交換が必要になるため、総額でおよそ70〜80万円程度の費用が必要になることが多い。
また、浴槽のサイズを変えない場合、浴槽を交換するよりも、後述の浴室塗装の方が費用を抑えられる。
風呂の広さに不満がないのであれば、浴槽や浴室の塗装に切り替えることも選択肢だろう。
浴室塗装
浴室塗装の場合には、全体の場合は16万、部分塗装の場合は10万程度の費用で抑えられることが一般的だ。
これは少々の傷の補修も含まれており、対応できる範囲内の傷であれば、追加費用などは発生しない。
浴槽のみ、または壁のみなどの場合にはある程度費用が抑えられるが、全体でもそれほど大きな費用の差は生まれないため、できるのであれば浴室全体の塗装を依頼した方が、コストパフォーマンスが高い。
「浴室の見た目が古いのが気になる」
「浴槽の設備面ではそれほど不満はない」
「できるだけ費用は抑えたい」
そのような方には浴室塗装がおすすめだ。
パネル貼り
パネル張りの費用は、大まかに10〜15万程度の費用がかかるのが一般的だ。
またこれより面積が広い場合、汚れやひび割れなどで下地調整が必要な場合、在来浴室の場合などは工事費用が上記よりも高くなる傾向があるため、注意が必要だ。
浴室が在来工法の場合にはタイル工法など、違う工法で作業した方が良い可能性もある。
どのようなリフォームが適しているかも優良な業者であれば親身に相談に乗ってくれるだろう。
まとめ
この記事では団地の風呂リフォームはなぜ難しいのか、その理由やユニットバスを設置する方法、他にどんなリフォーム方法があるのかについて詳しく解説した。
団地の風呂リフォームはマンションなどと異なり、仕様が特殊なため、ユニットバスの交換をあまりおすすめできないケースが少なくない。
部分リフォームであればある程度費用を抑えて団地の風呂リフォームができるため、そちらがおすすめできる場合も多い。
特にパネル張りや浴室塗装をすると、見た目はほとんど新品同様といって良い状態になる。
当サイト「ふろリノベ」では、塗装やパネル貼りによる部分リフォームを専門としている。浴室リフォームに熟知した職人が施工する為、是非、部分リフォームご検討の際にはご相談いただきたい。
この記事を参考に、より自分が納得できる団地の風呂リフォーム方法はどれなのか、検討してみてほしい。